プログラミングを実施する上で必要な知識





計算できない数字

プログラムで扱う「データ」は、大きくは「文字列」「数値」「論理値」の3つです。

 ・「文字列」は、文字をつなげたもの 例)あいさつ、アメリカ、亜細亜、ABC、123 など
 ・「数 値」は、1、0.1、100 など
 ・「論理値」は、判定に用いる「真(本当、True)」「偽(間違い、False)」の2つ

このデータを学習する上での難関ポイントは2つです。1つ目は、「数字と数値」これは、計算することができる数字とできない数字が存在するということです。混乱の可能性が高いもので児童への説明は注意が必要です。計算することができる数字を「数値」と呼び分けることがあります。

Excelで分かるように日付も計算対象です。計算できない数字は「文字列」に分類されます。「100」は計算でき、「100円」は文字列なので計算できません。全角か半角かの違いもありますが、Scratch では区別していて、半角数字のところに全角数字を入力した場合、プログラムは動きません。

例えば、計算できない数字の代表的なものが「出席番号」です。同姓同名もあり得るため、児童ひとり一人に異なる数字(番号)を割り当てることで、学校で唯一の存在を保証できる、いわゆる「ID(コード)」です。例えば、ID「100」とID「200」の人のIDを足すと、「300」と一応計算はできますが、それは何の意味ももちません。何かが増えたわけでも減ったわけでもないからです。

また、「順位」も同じです。得点を足すことに意味はあっても、順位などの「番号」同士を足すことに意味はありません。



論理値

2つ目は「論理値」です。こちらも Excel の IF 関数で登場するものと同じです。曖昧な答えは一切なく、真か偽かのどちらか1つで、ものごとを進めるにあたって条件がある場合や条件を設けたい場合に使用します。まずは真か偽かの判断学習です。いずれも解答方法は「真(本当)」か「偽(間違い)」かで、答えます。

 ・「 1 + 2 = 3 」は、本当? 間違い?
 ・「今日は ◯日」は、本当? 間違い?

 

Excel の IF 関数は、条件によって処理を分岐させたい場合に使用します。
例えば、「今朝は雨か?」という判定の場合、

 ・真(雨が降っている )なら「長靴を履く(処理)」で、
 ・偽(雨は降っていない)なら「スニーカーを履く(処理)」となります。

 

このように「真偽」を単体データとして使用することはあまりなく、条件判定の結果として使用します。

 

 



検証

前述の「歯磨き」の順序を児童に考えさせた場合、正しく検証(テスト)できるかどうかも大切な要素です。

1.歯ブラシを持つ

2.歯磨き粉を開ける

3.歯ブラシに歯磨き粉を付ける

4.歯を磨く(すべての歯を磨くまで、または、汚れが落ちるまで続ける)

5.コップに水を入れて口をゆすぐ

 

上から順に処理を想像して問題がないかどうか、また隣の人と交換して検証し合うのも良いかと思います。

・順番が正しいかどうか

・必要な処理が抜けていないか

・分岐が逆になっていないか

・繰り返しが表現されているか

これらに沿って、正しく検証できる能力もプログラミング的思考では必要になります。

 

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