学習活動において、必要に応じてコンピュータ等の情報手段を適切に用いて、情報を得たり、整理・比較したり、発信・伝達したり、保存・共有したり、といったことができる力です。
こうした情報活用能力を育むためには、単にプログラミング教育を充実し、「プログラミング的思考」を育めばよいということではなく、情報を収集・整理・比較・発信・伝達する等の力をはじめ、
情報モラルや情報手段の基本的な操作技能なども含めた、トータルな情報活用能力を育成する中に、「プログラミング的思考」の育成を適切に組み入れていく必要があります。
プログラミング的思考とは
文部科学省によれば「自分が意図する一連の活動を実現するためにどのような動きの組み合わせが必要であり、一つひとつの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」と定義しています。
・・・ただ、これではブロックを組み合わせていくプログラミングを前提とした、限定的な表現(「記号」など)になっていますので、以下のように言い換えます。
つまり、
特定の目的や目標を実現するために、どんなことが必要なのか、また、それらをどのように組み合わせたら、特定の目的や目標の達成に近づくのか、その方法や手順を考えること
となります。このように様々な視点でものごとを捉える能力を言います。一つの場合もあれば複数を同時に活用することもあり得ます。
身近な生活でコンピューターが活用されているからこそ、コンピューターを使いプログラミング的思考を養うという方針です。
児童が実際にコンピュータを活用して自分で「考える」ことを目指し、目的を実現するために試行錯誤を繰り返すことが重要です。
学習指導要領では児童がプログラミングを体験することを求めています。プログラミング教育全体において児童がコンピュータをほとんど用いない、ということは望ましくないことに留意する必要があります。
プログラミング的思考能力は以下の6つになります。
以上のように書きましたが、実際に中規模以上くらいのシステム開発の経験がないと、ピンっとこないと思います。教師としてこれらを児童に教えることも難しいでしょう。
小学校でのプログラミング教育は、何学年で?、何教科で、何時間くらい?など、具体的な導入方法は各学校の判断、裁量に任されています。
プログラミング的思考力育成を実施する上での懸念事項としては、大きくは以下の3つがあります。
・「授業時間」の確保
今後は英語の必修化や道徳の科目化などがあり、それだけでも手一杯なのに、その上、プログラミング教育が加わるとなると、どこにそんな時間があるのか。
・「指導人材」の養成・確保
プログラミング教育は教え方は確立されておらず、プログラミング未経験の先生がどのようにして授業を行うのか。
・「指導方法・教育教材」の開発・普及
プログラミング的思考力を「算数、国語、理科、社会、音楽、学級活動」でどのように育むのか。教材開発にも時間や技能も必要ですが、文部科学省も教育委員会も学校側に丸投げ感が否めない。文科省は「手引きや指針は作りましたよ」、教育委員会は「支援体制は整えますよ」だけです。
参考URL:小学校プログラミング教育の手引(第一版)
文部科学省は「未来の学びコンソーシアム」において、教育委員会に2020年度のプログラミング教育の全面実施に向けた取組状況等についてアンケートを実施した結果(2018年6月22日時点)
参考URL:教育委員会等における小学校プログラミング教育に関する取組状況等
特に取組をしていない理由として
「プログラミング教育の趣旨、目的、基本的な考え方などの 情報が不足している」が 64%、
次いで、
「教育委員会内部で、プログラミング教育を担当できる 人材が不足している」が 56%、
そして、
「プログラミング教育を推進するための予算(ICT機器等の 整備等)が不足している」が 44%
という状況です。
この調査の結果、2020年小学校でのプログラミング教育完全実施に向けた教育委員会の取り組み状況は、ひどいものだというのがわかります。
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