「プログラミング的思考」は「論理的思考」でもあります。
「論理」とは、言葉と言葉の関係が筋道立っていること。ある事柄に対して様々な言葉と言葉がつながって「意味のある」ネットワークを形成します。その意味ネットワークから踏み外す(関連性がない)と「非論理的」に、正確に行き来する(関連性がある)と「論理的」となり、そのような考え方を「論理的思考」と言います。
論理的思考は一つの視点を深掘りしていく垂直思考で、垂直思考力を育成する方法には、1つの題材が完結したらすぐに次の題材に移るのではなく、その題材を「修正」「改良」「拡張」するという思考の深掘りをしていくことで育むことができます。
何事も一度だけで完璧なものを作るのは非常に困難です。何度も修正や改良を重ねていき、より良いものにしていきます。できなかったからすぐにあきらめるという思考から、できなかったのはなぜか、どうしたらできるのかという思考に切り替える訓練には最適です。
「修正」・・・ 誤りを正す。ただし、何が正解なのかをしっかり理解していないと、どこをどのように
修正すればいいのか分からないため、題材についての理解度を確認することができます。
「改良」・・・ 何が良いのか、その基準は何か、誰にとって良いのかを考えさせます。
仕様自体の改良なのか、プログラムの効率化なのか。
「拡張」・・・ 仕様の拡張、機能の追加、動作の順番など教員側から追加課題として出題します。
なぜ拡張した方が良いのかを児童に検討してもらいます。
プログラミング的思考は
「プログラミング的思考=コンピュータプログラミングをするような感じで考える。」
その方法を習得しましょうということです。その考え方が習得できれば、論理的思考が鍛えられ、様々な問題解決に役立てられます。
<補足>
垂直思考(ロジカルシンキング):1つの課題に対して深く掘り下げあらゆる可能性を考慮する
水平思考(ラテラルシンキング):様々な幅広い課題をこなして視野や知識を広げる
情報技術(コンピュータ・プログラム)によって自動化され便利になった現代社会を認識し、未来では、さらに進化する情報技術によって身近な問題から社会問題まで、様々な問題を“自分が”解決するという主体的な思考の習得を目標とします。
まずは、現在の情報社会の中でも児童の生活範囲で身近なものを取り上げ、どのように情報技術が活用されているのかを解説することが重要です。スマートフォンや電子マネー、それらを利用することのできる、自動販売機や自動改札機などに組み込まれたコンピュータの仕組みは、どのようになっているのか。
また、それ以前の情報技術が発達していなかった時代は、一体どのようにしていたのか、ものごとの“仕組み”を理解する。そのようなこともプログラミング教育の一歩として必要ではないでしょうか。
そして、コンピュータを使った学習を一通り実施したら、一旦コンピュータから離れ、紙と鉛筆だけを持って、これからの未来がどのようになるのか児童に想像させ、何が必要になるのか、それを実現するための情報技術とはどのようなものか、逆にその発展により衰退していくものは何か。
個人やグループで新しいアイデアを考えて発表する、ということでも「思考力」は十分に鍛えられるはずです。
【重要】発問すればその瞬間から児童は考え始めますが、答えを伝えた瞬間、思考は停止します。
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